適正人員数算出の次にすべき重要なこと
退職者数、退職時期や退職理由の把握の必要性
前記事「(最新版)パートアルバイト戦力化マニュアル 3.募集準備(3)スタッフィング – 適正人員の算出」で自店舗の適正人員数の算出ができました。
さあ、これでやっと求人広告掲載ができると思ったあなた。実はまだ早いのです。なぜならば、この状態では慢性的人手不足に陥ってしまう可能性があるからです。
あなたの店が「籠で水を汲む」ような状態にならないように、適正人員数算出の次にすべき重要なことがあります。それは、退職者数の把握と予測することです。
そこで、まずは自店舗の退職実態をよく見ることからはじめましょう。
退職には自己都合と会社都合がありますが、ここでは自己都合退職の次のパターンに着目してください。
■自己都合退職の二つのパターン
・円満な退職:夏休み期間などの繁忙期だけの期間限定で就業し退職。あるいは進学や自身や家族の転勤など、ライフスタイルの変化による退職
・円満ではない退職:賃金や業務内容の不平不満、人間関係のトラブルや問題などのによる退職
円満な退職の場合、普段のコミュニケーション、1on1、勤務評価やカウンセリングなどで事前に把握することができるので、仕事ぶりの良い人は忙しい時や次の繁忙期に再度手伝ってもらうなどの交渉を事前にして退職を防ぐことができます。
円満ではない退職の場合、退職理由を店長はもちろんのこと、上長のスーバーバイザー(SV)が退職者に直接ヒアリングをして客観的な実態の把握と必要な対応が求めらます。また、一見、円満に見える隠れ円満退社もあるため退職者から本音を引き出すことも重要です。
実は、このような実態把握から入社後の経過日数と退職理由の関係も明らかになり、必要なアクションとツールが開発されてパートアルバイト戦力化マニュアルとして構成されています。
離職者数と離職率の把握
まず、離職者数の把握からはじめましょう。
離職者数とは、あなたの店でパートアルバイトが退職を含め離職した人数のことです。
この離職者数は最低でも前年度各月別の離職者数とその原因を把握しましょう。
そうすることで、何月に何人が、どんな理由で離職するのか、という傾向をつかむことができます。例えば、8月は夏休み限定の就業で●名の退職、3月は進学で▲名の離職という具合にするとこの情報を募集採用活動に活かすことができます。
次は、離職者数と在籍者数を各月別に整理し、離職率を算出します。離職率とは、あなたの店のパートアルバイト在籍者数の内、何パーセントの人が離職したかの割合のことです。算出式は以下の通りです。
離職率(%)=離職者数÷在籍者数×100
ポイントは、各月別の離職者数、在籍者数と離職率の三つの尺度で把握することです。
■「離職」と「退職」の違い
「離職」と「退職」も、似たような意味を持っていますが、「離職」と間違えやすい言葉に「退職」があります。
・離職:仕事から離れていること意味し「離職」という状態を指します。
・退職:勤めている会社との雇用契約を終了して会社を辞めることを意味し「退職」という行為を指します。
離職率の適正と目安
離職が少ないことが良いことなのか。離職ゼロが意味することとは?
店舗経営、ピープルビジネスでは売上増大を次のように定義しています。
「売上の増大とは、そこで働く人のレベルの向上であり、スマイルである」
これは文字通り、店で働く人たちの成長やスマイルがあって売上が増大していくことを意味しています。
こえを実現するためには、