大手企業に惑わされない中小企業に必要な『眠れる獅子の起こし方』
前回は「自分について研究してあげられるのは自分だけ。もっと研究してあげよう」という話をした。また、〈目標〉と〈目的〉の違いを説明しながら、仕事というものは変に難しく考え過ぎなくても、人生の〈目的〉さえブレなければ前向きに取り組んでいけるよ、ということを語った。
今回は「サトカメ流生き残り経営術」の人材教育編の締めくくり。「いかに自分の頭で考えられる人材に育てるか」という話だ。人材側の当人たちも、「いかに自分で自分をそういう人材にしていくか」という視点で聞いてほしい。両方に役立つ内容のはずだ。では始めよう。
メディア、コンサルタントや評論家たちは口を開ければ「グローバリズムだ、グローバリズムだ」と言うけれども、経済のグローバル化なんて結局は、海外の大手企業が日本で好き放題やれるようにするためのものだ。この連載を読んでくださっている皆さんは中小企業関係者が多いと思う。だとすると、我々としては、彼らの都合に染められがちな世の中だからこそ、いかに自社の人材を「自分の頭で考えられる人」にするかを考える必要がある。
これは具体的には「経営幹部をどう育てるか」ということでもある。中小企業の弱点は何か。社長は優秀だとして――優秀だから経営者が務まるんだからね――、社員たちは必ずしもそうでないこと、自分で考える術を知らないことだ。ではどうやって彼らを「自分の頭で考える習慣」に目覚めさせるかをすることにが苦手なことだ。
「相手の目線に降りて行く」というアプローチは本連載『地域No1「サトカメ流」生き残り経営術。家業から多店舗化 (第1回)サトカメ流人材教育論』で話したけど、それはどちらかというと大前提の話だ。前提を実行できたら、次は具体的な考え方のヒントを彼らに示してあげよう。
好きなことだけやって成功できる人なんて滅多にいない。贋物と本物に「騙されるなよ」
私がよく提案するのは、「苦手なことこそやる。嫌いなことをあえてやる」という発想だ。「騙されるなよ」ということも一緒に伝える。