(最新版)ドミノ・ピザとスターバックスに学ぶグローバルビジネス 4.アルバイトリーダーとしての自覚

六本木ヒルズ けやき坂 ライトアップ クリスマス イルミネーション 雪 東京タワー ドミノピザ 働く誇りとプライド リーダーとしての自覚 教えてくれたのはマニュアルではなく、クリスマスシーズンの冷たい雪の日

【この記事の概要】
 「働く誇りとプライド」と「リーダーとしての自覚」を教えてくれたのはマニュアルではなく、クリスマスシーズンの冷たい雪の日だった。
 人も育ち、オペレーションが安定してきた頃、軌道に乗った店はいつも通りの忙しさで注文が落ち着くと交代で休憩に。一番最後に休憩に入った私の目に飛び込んできたのは、見るも無残な休憩室。ピザの耳だけが食べ残され、ピザの箱は放置、飲みかけの缶ジュースやペーパーナプキンなどのゴミが散乱していた。これまでの自分なら文句を言いながら見過ごしていた状態。しかし、後始末していない状態が許せなかった…。

この記事の目次

アルバイトリーダーとしての自覚

これまでの自分なら文句を言いながら見過ごしていた状態も、率先して環境整備を試みるように

 正社員への道を決意してしてからの私は、アルバイトのリーダーとしての自覚を自ら持つようになった。

更衣室の整理整頓、清掃用具の保管方法、ジャイロ(三輪デリバリーバイク)の整列駐車など、店の環境整備の状態がとにかく気になってしょうがなかった。

更衣室に入ると床にハンガーが落ちている。ランドリーボックスに汚れた制服が投げ込まれたまま。掃除はきっちりできているのに清掃用具が乱雑に保管されている。

そもそも清掃用具そのものが汚いし、店頭が狭い中に駐車しているジャイロが整列されていないなど、常に周囲から見られているという意識や次の人が気持ちよく使えるようにするという思いやりの姿勢を感じられず、がっかりしていた。

これまでの自分なら文句を言いながら見過ごしていたこれらの状態に対して、正しいと思う姿と現状を周囲のメンバーに伝え、都度指摘しながら環境整備を試みるようになっていき、アルバイトリーダーとしての自覚が芽生えていった。

ある日の休憩時間にそれは起きた。店舗環境は悪化して目に余る事態

「まかないを食べられるのは当たり前じゃない!感謝して食べて後始末もちゃんとやらないと!!」

 ピークタイムが過ぎて店が落ち着いてくると、マネージャーがオペレーションの状況を見て、指示のもと順次休憩に入る。その際に熱々のクルーパイ(パートアルバイトスッタフのまかないピザ)が用意される。 

最初に休憩に入るクルー(パートアルバイト)はその熱々のピザを手にすることができるわけだが、交代で休憩に入るため、後から休憩に入るクルーには残っている量も少ないし、ただの冷めたピザしかない…。

その日の休憩は後半の後半、クルーの中でも最後だった私は少々諦めた気持ちで「冷めたピザでも残っているだけでも助かるな」と思いながら休憩室に向かった。

すると目に飛び込んできたのは、ピザの耳だけが食べ残されてき箱に放置され、飲みかけの缶ジュースやペーパーナプキンなどのゴミが散乱していて見るも無残な休憩室。

同じような光景はこれまでも見てきて、都度自分が片付けていたのだが、この日だけはあまりに酷い状況が許せず、不満となって爆発した。

「最後にクルーパイを食べたのは誰だ!なんで食べ物を粗末にするんだ。それに、食べかけのピザと空の箱を捨てずに放置するんだ!!」と。

さらに、「クルーパイを食べられるのは当たり前じゃない!感謝して食べて、他の人が休憩室を気持ちよく使えるように、後始末もちゃんとやらないと!!」

私は、クルーパイがなくなっていたことでなく、後始末していない状態が許せなかった。

どちらかというと、いつもは温和な私が感情的になる姿は周囲のメンバーにかなり刺さったようで、一瞬で空気が凍り、皆の顔がこわばったのを思えている。

そして次の日から空のまま放置されている箱を見ることはなくなった。

どんなに忙しくても、いつも周囲のメンバーへの感謝や意識を持ち続けてより良い環境を作っていくことは、仲間とともに仕事をしていく上では重要なことであり、それがチームワークのベースなのではと感じていた。

そして何よりも自分自身がそのような姿勢を持ち続けることが大切なのだと実感していったのだった。

「ドミノで働く誇りとプライド」リーダーとしての自覚

クリスマスシーズンの12月の夜、閉店時間近くに冷たい雨から雪に

 クリスマスシーズンの繫忙期に加え、雨が降ると何倍もの注文が入る。そのような中、クローズ時間近くになって、それまで降っていた冷たい雨が雪に変わった。

ドライバーのユニフォームは冬用にウィンドブレーカーとジャンパーが上下セットで用意されており、ある程度の雨や寒さには対応することができていた。

しかし突然、しかも初めての雪の中のデリバリーはハンドルを握る手をかじかませ、安全運転に支障をきたす事態となっていた。デリバリーから帰ってくるドライバーからは「手が冷たくで運転できない」「危うく転びそうになった」との声が続出していた。

そうゆう私も雪の中のデリバリーは初めてで、手が凍ってしまうのではと思うほどの冷たさを感じながら仕事をしていた。雪は短時間で止んだのだが、この事態をなんとか対処しないと本当に事故につながると思い、グローブの導入を店長にお願いした。

結果はグローブまではいかなかったが、店舗で軍手を用意してくれることになったのだ。これだけでもドライバーたちは喜んでくれた。そして寒い日でも(若干ではあるが)寒さをしのぎ、安心してデリバリーができる環境を作ることにつながった。

当時はまだ、アルバイトリーダーというポジションや役職はなかったが、気がつくと自分がその位置に立っていた。

それは店長からの名でもなくオープニングスタッフで年齢が一番上だったからでもない。ドミノピザが本当に好きだったからだと思う。日本初のデリバリーピザの店舗で働く誇りプライド、お届けした時のお客様の笑顔、一日ベストを尽くしてやり切ったスタッフの表情が原動力になっていた。

そして大好きなドミノピザをもっとよくしたい、できていないところを一つずつ形にしていきたい、そんな想いが周囲に対する指摘やアドバイス、さらには取りまとめの役割としてリーダーの自覚を高めていったのだった。

このようにピザのレシピやデリバリーのノウハウはあるが、マニュアルやオペレーションは未整備で、日々、苦労の積み重ねでだったが、それがやりがいになっていた。

本社本部だけでは、現場の細かいことは分からないため、会社の安全性や生産性を向上させるのは、現場の声に耳を傾け、改善をすることがリーダーの役割。そして、世界的チェーンであってもすべてをマニュアル化していない。マニュアル化していいこと、してないいけないことの重要性が後から認識することができた。

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