人手不足を解消する必要人員数算出のポイント
では、このような事態を防ぐためには、どのようにすればいいのでしょうか。
人手不足による機会損失を防ぐためには、売上獲得ができる業務量から必要な人員を割り当てていくことで、「業務に人を合わせる」という考え方が必然になります。
すなわち、通常営業の業務以外に売上獲得、利益の確保、お客様満足度の向上、人の育成のための活動を考慮して業務量を見積もり、いつ、どの時間帯に何をすることが必要なのかを明確にし、必要な人員数を見積もることです。
その具体的方法は、各曜日別や時間帯別の売上や客数の獲得に必要な人員数、そして、オペレーションやマーケティング活動の業務遂行に必要な人員数を下図のような「モデルワークスケジュール」を作成して把握します。
適正人員算出において、この「在籍する人員に業務を割り振っていく」のではなく「業務量を見て必要な人員を割り当てていく」という考え方がとても重要です。
人手不足や過剰人員の対策のために、自店舗の「モデルワークスケジュール」作成し、適正人員について見直しをしてください。
「モデルワークスケジュール」は、下図を参考にしてください。

ここでのポイントは、必要人員数を
・生産高労働時間:売上獲得のための直接的労働時間
・非生産高労働時間:売上獲得のための間接的労働時間
に分けて算出しましょう(詳細は別章で説明します)。
この「モデルワークスケジュール」作成によって自店の弱みも強みも見えてきます。必要人員の確保によって弱みをカバーし、強みを伸ばすことで人も売上も安定した店づくりを可能にします。
適正人員を満たしていても人手不足になるリスク
人手不足だからといって、また、管理が大変だからといって、長時間労働ができるフルタイマーを多く採用して、適正人員を満たしても逆に人手不足に悩ませることになります。
「そんなバカな」と思われるかもしれませんが、実際に起こることなのです。
その理由は、いったい何でしょうか?
それは、『パートアルバイト戦力化マニュアル 3.募集準備(3)スタッフィング – 適正人員の算出』で説明した通りです。
1日に必要なパートアルバイト(P/A)の総労働時間と出勤者数の兼ね合いで、長時間労働のP/Aを中心にすると突発的事態に対応ができなくなります。
突発的事態とは、
・遅刻や欠勤リスクの回避
・急激な売上の増減への対応
・ミスや失敗のリカバリー
などのことで、予測は難しいですが起きることを想定することはできますので、突発的事態への対応がいつでも柔軟にできるように準備をしておくことです。
具体的には、フルタイマー中心ではなく短時間勤務を中心とし、人の層を厚くするシフト作成で突発的事態に備えます。
例えば、労働時間は勤務状態や業務レベルを見て調整し、シフト貢献度で労働時間を増やして、仕事ぶりの良い従業員はリーダーに育ててフルタイマーとして働いてもらい正社員に登用するというヒューマンリソースプランに基づいた採用と育成、そして、シフト作成やコントロールが必要です。
ちなみに、このヒューマンリソースプランが多店舗展開を支えるために必要な有益で即戦力の社員を確保する秘訣なのです。
◆ヒューマンリソースプランとは:Human Resource Planning[英]、人的資源計画の意で、企業が経営目標を達成するために、必要となる人財を適切な時期に、適切な人数、適切な能力を持った状態で確保し、活用するための計画のこと。

