【この記事の概要】
「チラシ・クーポン券の役割とそれを活かした各マーケット攻略法」
あなた店のマーケットは儲かるマーケット?それとも、危険、もしくは要注意のマーケット?店舗前で、チラシやクーポンを配れば良いと単純に考えているとしたら、それはとても危ないことです。自店舗が所属している「マーケット」によって、配って良い場所とそうではない場所があるのです。そして、今ある需要(今店前を歩いている人々)をキャッチできなければ、永遠に繁盛は難しいのです。
連載にあたり
店長が実践する立地の応用とチラシやクーポン券の配り方「実は、配って良い場所とそうではない場所があるのです」
今回から1年間12回にわたって、もっと店長の活躍する現場に近い「立地の話」をしていきましょう。
今までよりも一層応用がきき、かつ成果の上がるものになるはずです。さて、今回はその1回目、チラシやクーポン券の配り方についてみていきましょう。
「そんなことは、もう知っている。何をいまさら」と思った方はいるかもしれませんね。
しかし、実は、これ、「どこ」で配るかでその効果がまったく違うことを知っていましたか?
そうです。この「どこ」こそ、立地に関係していることです。
店舗前で、チラシやクーポンを配れば良いと単純に考えているとしたら、それは危ないことです。
あなた店の「マーケット」は儲かるマーケット?それとも、危険、もしくは要注意のマーケット?
自店舗が所属している「マーケット」によって、配って良い場所とそうではない場所があるのです。
ちなみに、ここでは、街中や駅前、住宅街などお客さまが徒歩や自転車で来店してくれる店について主に説明していきます。お客さまの大部分がクルマなどで来店するいわゆる「郊外ロードサイドの立地」は別の機会に触れることにいたします。
マーケットとは
1980年代、千差万別で分類と活用が難しかったマーケット分類の誕生秘話
「マーケット」とは何でしょう。マーケットとは、「市場」のことです。と言ってもよくわかりませんね。もっと簡単に言うと「お客さまがたくさんいる場所、や地域」のことです。
住宅地であれば、住宅地そのものがマーケットですし、駅前であれば、その前に住む人や事業所、商業店舗で働いている人、されにこれに加え、その街に買い物や遊び・レジャーにやって来る人(流入する人)がいます。
ですから、こうした人々がいる範囲全体をマーケットと呼びます。
このマーケットは、それこそ千差万別でみんな違うのですが、ある程度、分類することができます。
分類の仕方について、1980年代にマクドナルド社(の出店調査部)はたいへん面白い方法を思いつきました。
それは、販売促進にすぐに役立つような分類をしようという発想から生まれたものです。
では、どうしたらそういう分類ができるか見ていきましょう。
それは実際、その地域、つまりマーケットで「どれだけ商売が繁盛しているか」を直接分類すれば良いでしょう。みんなの商売が繁盛していれば、自分の店も繁盛するのは当然ですよね。
みんなが繁盛しても、自分だけ繁盛しないというのは、それは自店に何らかの欠陥があるか(例えばものすごく狭い店とか)、商品によほど魅力がないか、営業状態がよくないかのいずれかでしょう。
ということで、街の全体の繁盛度合いを元にしてマーケットを分類すれば良いと言うことになりますね。
では、その「街の全体の繁盛度合い」って、どうやって知ることができますか?
街のお店を片っ端から「繁盛してますか?」と聞きまわるのでしょうか?あるいは、何かほかに良い方法があるのでしょうか?
この良い方法を、マクドナルド社は見つけました。もちろん、店を一軒一軒調べて回る必要がないやり方です。
「街の全体の繁盛度合い」を表す最適な値
その方法とはどんな方法でしょうか?