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「スタッフィング」という重要な概念。この概念がないと人手不足が続き、人手不足に慣れてしまう。結果、慢性的な人手不足となり、どんどん縮小均衡が進む負のスパイラルに陥ってしまう
店舗経営に必要な適正人数の考え方「スタッフィング」
昭和から慢性的に続く人手不足をまねいたこと
店舗経営(ピープル・ビジネス)では必要な採用者数を考える際にスタッフィング(適正人数)という重要な概念がある。
必要な労働力の大半をパート・アルバイト(P/A)に頼るため、急な欠勤や退職はありがちなこと。
そのために急な欠勤などがあっても人員不足に陥ることがなく、かつ、急な売上や客数の増大や減少に必要な人員も、人件費の圧迫をしないで確保やコントロールする方法を意味する。
このスタッフィングの概念がない中で、人の採用を「辞めると言われてから」「辞めてから」をしても、一年中人手不足に悩まさせることになる。
そして厄介なことは、この状況が続くとで人手不足に慣れてしまう。結果、慢性的な人手不足となり、本来、得られるはずの売上も利益も逃してしまう機会損失によってさらに経営を圧迫するので、人件費を削減せざるを得なくなり、どんどん縮小均衡が進む負のスパイラルに陥ってしまうことだ。
バブル崩壊後の90年代初頭から現在までの期間、通称「失われた30年」で、姿を消していった店の一つの特徴でもある。
人手不足になると、店長や管理職が休日返上でその穴埋めをしたり、満足なトレーニングができなくてせっかく採用したP/Aの早期離職をまねいたり、一人ひとりへの負担が増すことによるイライラやストレスが生じ、店の雰囲気やイメージにまで悪影響を及ぼしてしまう。
このような慢性的人手不足に関することは『ピープル・ビジネス理論 0章 概論 7.昭和から慢性的に続く人手不足。そして、将来不安へ』を参照してほしい。
この負のスパイラルに陥らないための一つの方法がスタッフィングである。