店長マニュアル 3.6つのマネジメントスキル (3)コミュニケーションスキル 前編 「正しい指示と情報伝達」

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【この記事の概要】
 店長に求められるコミュニケーションとは正しい指示と情報伝達のことで、そのコミュニケーションによる人間関係の構築をコミュニケーションスキルという。人間関係を難しくさせないコミュニケーションとは明確な指示と正確な情報伝達。

この記事の目次

店長に必要なコミュニケーションスキルとは

店舗経営におけるコミュニケーションの実態 ミスや失敗をしたり、仕事を達成できない、人間関係が悪いことの本質的原因

 店舗経営(ピープル・ビジネス)では、多様な価値観や思考をもった、年齢も経験も異なる多くの人たちが店という限られた空間に集まって仕事をする特性のため、必ずと言っていいほど、人との間に摩擦、確執や軋轢などが生じ、人間関係がぎくしゃくしたり、トラブルが発生したりする。

それらはそこで働く人たちが仕事を達成できなかったり、ミスや失敗をしたりといった日常的な仕事ぶりが人間関係に影響を及ぼしている。

それらは不明確な指示や情報伝達によって誘発されている。つまり、人間関係の問題、仕事を達成できないこと、ミスや失敗をすることの原因のほとんどはコミュニケーションにあると言ってよい。

例えば、あなたの店で働く人たちは自分のしたミスや失敗を認めようとせず言い訳をする。このようなことはないであろうか?

もしこのようなことがあれば要注意で、その人たちの言動はあなたの指示が不明確だからと態度で示しているにすぎず、あなた自身のコミュニケーションに問題があるからだ。

このようなことは生産性を下げるばかりか、人間関係の根本である信頼関係を失い店全体に良い影響を与えない。

職場の雰囲気をイライラ、ピリピリさせ、士気も低下、さらにミスを誘発させてしまい人間関係がもっとギクシャクしてしまう。このような状態であれば当然ながらそこで働く人たちは辞めていってしまう。

コミュニケーションができないのは個人の問題なのか

 にもかかわらず、本部本社のマニュアル、研修やトレーニングでは、コミュニケーションの理論的な説明はあるものの業務と連動させた現場でのOJTや実務チェックをしていないため活かしきれていない。

そして、人事評価*において協調性や責任感などの考課要素で何とかしようとしたり、形式的なコミュニケーションやツールに頼るも改善されなかった。

そのため、コミュニケーションは個人の資質に頼らざるを得ず、個人差もあって教えたくても教えられないこともあり、コミュニケーションは個人の問題として済まされてきた。

その要因は、コミュニケーションの定義が曖昧であり、根本を究明し、現場実務と連動させたコミュニケーションの方法がないことにある。

事実、コミュニケーションというと世間話などの雑談、仕事とは無関係の会話、社内レクリエーションや飲みニケーションなどと混同して使われているなど、多様な解釈もあり、店舗経営に必要な本来のコミュニケーションが不明確な状態にもある。

店舗経営におけるコミュニケーションとは人間関係の構築のための一要素で、他の要素と実務を組み込んで構築された店長に求められるコミュニケーションスキルについて説明を進めていきたい。

(詳細)「コミュニケーション」:ピープル・ビジネス理論 第4章 人間関係論

(詳細)「人事評価」:ピープル・ビジネス理論 第8章 人事評価論

コミュニケーションの定義

 まず最初に、店舗経営におけるコニュニケーションについて明確にしたい。

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