ピープル・ビジネス理論 2章 ビジネスモデル論 6.繁栄か、それとも破滅か。 ビジネスモデルのはじまりと進化

繁栄 破滅

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「急成長やブームで成長」 「1号店のままのビジネスモデル多店舗展開!?」 ピープル・ビジネスにおけるビジネスモデル開発のはじまりと成長ステージ合ったモデルへの進化の必要性

企業成長とともに進化を続けるビジネスモデル

店舗経営(ピープル・ビジネス)におけるビジネスモデル開発のはじまりと成長ステージ合ったビジネスモデルの進化

 1980年当時、まだ確立されていなかった店舗経営(ピープル・ビジネス)におけるビジネスモデルの構成はたった6項目から始まった。時間の経過とともに細分化、高度化が進み現在24項目となり、より進化した。

企業の成長ステージには「創業期」「成長期」「安定(拡大)期」「衰退(再成長)期」の4段階があり、そのステージごとにビジネスモデルも変わり進化するからだ。

企業の成長ステージとは、事業展開のためにベンチャー企業*が創業し、事業開始後に成長、安定(拡大)して軌道に乗り、生き残りの衰退までの段階を意味している。

ベンチャー企業*における成長ステージは、一般的に4つのステージに分類され「シード」「アーリー」「ミドル」「レーター」と呼ばれ、創業から安定までの成長過程を指し、各成長ステージに応じた人モノかね、特に資金調達や投資評価を行う際に重要な経営指標をもとに適切な施策を打つことが必要で、その裏付けとなるのがビジネスモデルとなる。

そのため、起業前にはビジネスモデルを開発し、決算や経営計画策定にあたりビジネスモデルの検証とブラッシュアップ*を最低でも年1回、見直すことが必要となる。その繰り返しの結果、細分化され精度向上がなされたのだ。ビジネスモデルの構成と項目、ブラッシュアップの頻度と方法などは後で説明したい。

そして本場米国から日本上陸時に設立されたジョイントベンチャー*が大きな役割を果たした。大手チェーンもかつてはベンチャー企業からのスタートだったため、ブランドイメージを保つために米国本社からお目付け役が送り込まれ監視と指導が徹底して行われてきた。それがビジネスモデルの原形ともなっている。

ジョイントベンチャーは身近な事業形態の一つで、マクドナルドは米国マクドナルド社と藤田商店、セブンイレブンは米国サウスランド・カンパニー社とイトーヨーカ堂、KFCは米国KFC社と三菱商事、ミスタードーナッツは米ミスタードーナッツ社とダスキンなどのように多く取り入れられている。

◆ベンチャー*とは:Venture[英]。意味は新規の事業へ企業とし取り組むことを指す。

◆ベンチャー企業*とは:Venture company[英]。意味は新に企業した場合や既存企業が別法人で新規事業に取り組む場合などの場合、その事業に取り組む企業のこと。他に、ベンチャー企業の事業を総称して「ベンチャービジネス(Venture business[英])」、複数の企業や組織が出資し新会社を設立した場合「ジョイントベンチャー(Joint venture[英])」と呼んでいる。

ビジネスモデルの進化次第で「繁栄か、それとも破滅か?」

 成長ステージごとにビジネスモデルも進化させるチェーンがある中でまったく進化しないチェーンもある。その事例をひと言で例えると、1号店という平屋建ての構造の上に出店分を増築し続けるイメージだ。

1号店のグランドオープンまでは成功を夢見て思いを巡らせ事業計画を作成し創意工夫を繰り返すが、オープン後に厳しい現実と直面すると運に身を委ねてしまうことが多い。

運良くうまくいったとしても事業計画はあるが明確なビジネスモデルがないため、その要因が分からず感と経験によるところが大きい”ばくち経営”となり生き残りが厳しい。

そして生き残れたとしても、1号店という平屋建ての構造の上に、2号店以降の出店分の増築を続けていき、平屋建ての土台や構造が耐えられなくなって崩壊につながる。

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