人を大切にする経営「京セラフィロソフィー」紐解き講座 3.経営理念の紐解き

工場 経営理念の浸透 朝礼 

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【この記事の概要】
 稲盛和夫さんが説いた京セラ、KDDIとJALと異業種を成功に導いた経営の礎 フィロソフィーの紐解き「経営理念を浸透させ、社員のベクトルを合わせ血肉化する」
 人はそれぞれ考え方が違うし、能力も違います。そしてまずいことに人間の脳は「自分の都合で聞いたことを自分に都合がいいように解釈する」という性質から、同じことでも100人が聞いたら100通りの解釈が出来てしまうのです。そのため、出来る限り誰もが同じような受け止め方をして、経営者の意図を自分事として受け取り、はじめから「自分はこうしたかったのだ」と受け取ってもらえる状況を作る必要があるので紐解きが必要になるのです。

稲盛和夫さんから教わったフィロソフィーの紐解き

 古今東西の大経営者は例外なく経営理念の重要性を説いておられます。なぜなら経営の全責任を負う経営者の考え方が経営理念ですので、その考え方で全社員がまとまったら素晴らしい結果が出せるからです。

今回は経営理念をどのように解釈して行動するかについての紐解きについて考えてみたいと思います。稲盛さんはフィロソフィーの紐解きとして個別具体的なフィロソフィーごとにそれをどのように解釈するか、なぜ重要か、どのようにとらえるか、どのように活動するかなどを詳しく説明されています。

ここでは各会社で経営者自らがどのように自社の紐解きを作り社員に教育していくかを示したいと思います。

1.なぜ紐解きが必要か

 会社は経営者の考え方で経営されます。なぜなら全責任を負う経営者がいわば免罪符として「この考え方や行動指針に従って行動してくれたら自分は全責任を負える」という代物が経営理念だからです。そのような状態が出来れば当然ベクトルも合いますし、会社が一枚岩になれるからです。

しかし人はそれぞれ考え方が違うし、能力も違います。そしてまずいことに人間の脳は「自分の都合で聞いたことを自分に都合がいいように解釈する」という性質を持っていますので、同じことをもし100人が聞いたら100通りの解釈が出来てしまうという問題を解決する必要が生じます。

したがって出来る限り誰もが同じような受け止め方をして、経営者の意図を自分事として受け取り、はじめから「自分はこうしたかったのだ」と受け取ってもらえる状況を作る必要があるので紐解きが必要になるのです。

このことに関して稲盛さんは「人は自分の都合で考えるので、経営者の意志を自分の意志として受け取ってくれるような問題のすり替えをする必要がある」として紐解きの重要性を説かれていますので参考にしてください。

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