(最新版)ディズニー流経営の極意 4.人を伸ばし、お客様満足と業績を最大にするシンプルな経営の枠組み

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【この記事の概要】
 「私はディズニーランドが、幸福を感じてもらえる場所、大人も子供も、ともに生命の驚異や冒険を体験し、楽しい思い出を作ってもらえるような場所であってほしいと願っています。」
というウォルト・ディズニーの言葉を受け継いで100年以上もの期間、ホスピタリティ溢れるサービスやお客様満足を誰もが実践できるシンプルな経営の枠組みとは。

この記事の目次

全従業員に共通したゴールと実現のための方針

ディズニーには「We Create Happiness.(ハピネスの創造)」という従業員全員に共通したゴールがあります。

 全従業員はこの明確なゴールを目指して仕事をするわけです。

では、どのようにしてこのゴールを実現するのでしょうか。また、どのような行動が求められるのでしょうか。

それは、東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドの公式ホームページには以下のように記載されています。

(パーク運営の基本理念)
ファミリー・エンターテイメント
テーマショー

という、明確な経営理念があります。

そして、この基本理念を支えるのは、

(パーク運営の4つの鍵「SCSE」)
優先順位1. Safety(安全性)
優先順位2. Courtesy(礼儀正しさ・親しみやすさ)
優先順位3. Show(ショー)
優先順位4. Efficiency(効率)

という行動基準です。

この行動基準は、パークのアトラクションやレイアウトなどの設計からキャスト一人ひとりの接客などのすべてのポジションにおいて求められて、実践されています。

つまり、ゴールと考え方があり、ゴールを達成するための行動基準が明確になっていますので、経験の有無に関係なく、誰もが、即実践できるように構成されています。

Happinessの創造ができるようなるマニュアルとは

 結論から言うと、「Happinessの創造」ができるようなるマニュアルなどはありません。

皆さんは、ディズニーの接客やサービスを受けて、「きっとマニュアルがしっかりしているからできる」とおっしゃります。

しかしながら、前記事「ディズニー流経営の極意 3.”会社の方針に沿って主体的に考え行動できる人”を育成する仕組み」でも説明した通り、ディズニーにはゴールと行動指針以外に細かな接客マニュアルやすべてができるようになるマニュアルは存在しないのです。

ですが、明確なゴールがあって、ゴール達成に必要な考え方と行動基準である「パーク運営の基本理念」と「パーク運営の4つの鍵」が明確になっていて、全従業員に浸透させています。

これがディズニーを支える原動力になっていると思います。

つまり、ホスピタリティ溢れるサービスやお客様満足の獲得は、ディズニーだからできるのではなくて、明確な理念・ミッション・方針を実現するため、適切な判断で行動できるように、現場で状況に応じたトレーニングを徹底し繰り返しているからこそ実現ができるんです。

パーク運営の基本理念:ディズニーの考え方

ファミリー・エンターテイメント

 世代を超え、国境を超え、あらゆる人々が共通の体験を通してともに笑い、驚き、発見し、そして楽しむことのできる世界。

「私はディズニーランドが、幸福を感じてもらえる場所、大人も子供も、ともに生命の驚異や冒険を体験し、楽しい思い出を作ってもらえるような場所であってほしいと願っています。」というウォルト・ディズニーの言葉に基づいて、あらゆる世代の人々が一緒になって楽しむことができる“ファミリー・エンターテイメント”を実現したいがディズニーテーマパークの基本コンセプトとなっています。

テーマショー

 ディズニーの世界を演出するために、園内の建物から音楽にいたるまで、あらゆるものがテーマを持って設計され、非日常的な空間を創りだしています。

東京ディズニーランドや東京ディズニーシーは、訪れたゲストに様々な体験を提供するための「青空を背景とした巨大なステージ」であり、パーク内のあらゆるものがテーマショーという観点から考えられ、構成されています。

パーク運営の4つの鍵「SCSE」:ディズニーの行動基準

 ディズニーの行動基準は「SCSE」で構成され、重要度の高い項目から優先順位が設定されています。

この優先順位に沿った行動によって、ゲストにハピネス(幸福感)を提供することができます。

優先順位1. Safety(安全性)

 ゲストにとって安全な場所、安らぎを感じる空間を作りだすのはキャストの役目(仕事)です。さらにそのゲストの安全を守るキャストの安全も大切です。この安全性は何よりもまして優先する事項です。

優先順位2. Courtesy(礼儀正しさ・親しみやすさ)

 相手の立場にたった、親しみやすいおもてなしのことを言います。あらゆる年代、様々な国籍の“すべてのゲストがVIP”であり、心を込めておもてなしをしています。

優先順位3. Show(ショー)

 パーク内のあらゆるものが、テーマショーという観点から考えられ、構成されており、もちろん東京ディズニーリゾートで働くキャストもショーの一部です。期待を持って東京ディズニーリゾートを訪れるゲストのために、「ショーは毎日が初演」の気持ちを忘れずに、ショーを演じています。

優先順位4. Efficiency(効率)

 効率は大切ですが、安全性や礼儀正しさ、ショーを無視して効率を優先しても、ゲストにハピネスを提供することはできません。安全性、礼儀正しさ、ショーを心掛け、チームワークを発揮することで、効率を高めます。

全従業員共通の「We Create Happiness.(ハピネスの創造)」というディズニーのゴールや経営基盤の支えとなっているのはマニュアルではなく、このような仕組みなのです。

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