大雪注意! 緊急事態マニュアル[大雪対策]大雪から人と店を守る。店舗向け大雪対策と被害発生時の対応

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【この記事の概要】
 近年、異常気象による大雪が頻発し、店舗運営に大きな影響を与えるリスクが高まっているため、安全対策、警報発令時や被害発生時の対応を準備しておきましょう。 
 大雪が従業員や顧客に及ぼす影響を知り、万が一の時でも慌てないように予め情報収集担当、除雪担当、顧客対応担当などの役割分担をしておき、早め早めの行動が取れるようにすることが重要です。また、事業継続を維持するために、大雪発生時を想定した緊急事態マニュアルの策定が不可欠です。この記事では、大雪に備えた具体的な対策とBCP(事業継続計画)策定のポイントを解説します。

この記事の目次

店舗における大雪対策の重要性

大雪が店舗運営に及ぼす影響

 大雪は、顧客の来店減少、従業員の出勤困難、商品配送の遅延、店舗施設の損害など、様々な影響を及ぼします。これらのリスクを事前に把握し、適切な対策を講じることが重要です。

大雪は、店舗の売上減少に直結するだけでなく、店舗屋根や看板などの破損や倒壊、従業員や顧客の安全にも大きな影響を与えます。そのため、事前にリスクを評価し、適切な対策を講じることで、被害を最小限に抑える必要があります。

例えば、大雪による交通機関の麻痺は、従業員の出勤や帰宅を困難にし、店舗運営に支障をきたす可能性があります。

また、商品の配送遅延は、店舗の在庫不足や販売機会の損失を招く可能性があります。さらに、店舗の屋根や看板、外壁などの損傷は、修理費用がかさむだけでなく、顧客や従業員に危険をもたらす可能性があります。

これらのリスクを考慮し、大雪に備えた対策を講じることが、店舗運営において不可欠です。

緊急時における従業員の役割分担

 緊急時には、従業員一人ひとりが自分の役割を理解し、迅速かつ適切に行動することが求められます。役割分担を明確化し、定期的な訓練を実施することで、混乱を最小限に抑えることができます。

具体的には、情報収集担当、除雪担当、顧客対応担当など、役割を明確に分けることが重要です。また、緊急連絡網を作成し、従業員間でスムーズな情報共有ができるようにする必要があります。

定期的な訓練では、大雪を想定した避難訓練や、緊急時の連絡方法などを確認することで、いざという時に従業員が冷静に対応できるようになります。

役割分担を明確にするだけでなく、それぞれの役割に必要な知識やスキルを習得させることも重要です。これにより、緊急時においても、従業員が連携して安全かつ効率的に行動することが可能になります。

大雪警報発令時の情報収集と共有

 気象庁や自治体からの情報発信を常に確認し、従業員間で共有することが重要です。また、店舗独自の連絡体制を構築し、迅速な情報伝達ができるようにしておきましょう。

気象庁や自治体のウェブサイト、テレビ、ラジオなどを活用し、最新の気象情報を収集して、雪や暴風雪に対して早め早めの行動が取ることが大切です。

特に、大雪、暴風雪、積雪や気象警報・注意報などの発令状況や交通機関の運行状況などは、店舗運営に大きな影響を与えるため、常に最新情報を把握する必要があり、最新防災気象情報は気象庁や自治体などが下記リンクから発信しています。

■大雪情報
大雪・暴風雪に関する最新の防災気象情報(気象庁)
積雪情報リンク(国土交通省や各地方自治体等への積雪情報リンク)
・tenki.jp(天気予報専門メディア) ←最近、WEBサイトへのアクセスが不安定な事象が続いているため他サイトをおすすめします。
ウェザーニュース(民間気象情報会社)
これらWEBサイト以外に各機関のSNSやアプリで情報収集も可能です。

交通機関の運行状況
各交通機関の公式ページや公式SNSなどから情報収集をしてください。

収集した情報は、従業員に速やかに共有し、対策を講じるための判断材料とします。店舗独自の連絡体制としては、グループチャットやメール、電話などを活用し、従業員全員が情報を共有できるようにします。

また、連絡担当者を決めておくと、よりスムーズな情報伝達が可能になります。定期的な情報共有訓練を実施し、緊急時にも迅速かつ正確な情報伝達ができるように備えましょう。

大雪発生時の店舗内外の安全確保

大雪時、電車や車で移動時の注意ポイント

 スリップによる追突や転倒などの事故にならないよう、雪に慣れていない地域は、特に注意をしてください。

■雪道で運転する際の注意ポイント

スタッドレスタイヤやチェーンを装着
車間距離を多めに確保
急発信、急ブレーキと急ハンドルに注意(各操作はゆっくり慎重に)
黒く光る道や橋、トンネル出口は凍結注意
雪が積もったばかりの道路は路肩の側溝が分かりにくいため中央寄りを走行
わだちに沿って走るが、深いわだちは避ける
坂道では滑りやすく、上りは助走をつけ、下りは低ギアでエンジンブレーキを活用
昼間でも視界が悪いときはライトを点灯
ホワイトアウト時はハザードを点けて徐行し、安全な場所に停車(詳細は本記事後半を参照してください)

雪道を歩く際の注意ポイント

雪道を歩く際のポイント
滑りにくい靴を選ぶ
歩幅を狭くする
重心を前におき、足の裏全体を路面につける意識で
傾斜に逆らわない
時間に余裕をもって歩く
「ながら歩き」をしない

■雪道の注意ポイント

うっすらと雪が積もっている場所は滑るので注意する
凍結している部分は歩かない
車や人の往来が多く、雪道が踏み固められている場所は特に注意する
橋やトンネルの出入り口など、日陰になりやすい場所は凍結に要注意
屋根の上の雪や氷が落ちてくることがあるので、屋根にも目を配る

店外と店舗周辺の除雪と安全対策

 店舗入り口や駐車場などの除雪を徹底し、顧客や従業員の転倒事故を防ぐ必要があり、融雪剤の適切な使用や、滑りやすい場所への注意喚起表示も重要です。また、店舗の屋根や看板の積雪や危険性も定期的に点検して、除雪をしてください。

除雪作業は、開店前や閉店後に行うだけでなく、営業時間中にも定期的に行う必要があります。特に、雪が降り続いている場合は、こまめな除雪が重要です。

除雪作業を行う際は、従業員の安全を確保するために、防寒具や滑り止め付きの靴を着用させるようにしてください。

また、除雪機の使用時は、周囲の安全を十分に確認する必要があります。融雪剤を使用する場合は、使用方法や量を守り、環境に配慮することが必要です。

滑りやすい場所には、注意喚起の表示を設置し、顧客や従業員に注意を促すことが大切です。また、階段やスロープには滑り止めを設置したり、手すりを設置するなど、転倒防止対策を講じるようにしてください。

店内での安全確保と避難経路の確認

 店内では、滑りやすい場所がないか点検し、転倒防止対策を講じましょう。また、非常時の避難経路を明確にし、従業員全員が把握できるようにしておきましょう。

床が濡れている場合は、滑り止めマットを敷いたり、モップで拭き取るなどして、転倒事故を防ぐ必要があります。

また、商品が通路に積み上げられていないか、陳列棚が倒れる危険性はないかなど、定期的に店内を点検し、安全な状態を維持することが必要です。

避難経路については、複数のルートを確保し、従業員全員に周知徹底する必要があります。避難経路図を作成し、従業員休憩室や事務所など、目につく場所に掲示しておきましょう。

また、定期的に避難訓練を実施し、従業員がスムーズに避難できるように訓練しておくことが重要です。非常口の場所や、避難時の注意点などを確認することで、万が一の事態にも冷静に対応できるようになります。

顧客への情報提供と安全誘導

 大雪時には、顧客に対して店舗の状況や安全に関する情報を提供することが大切です。また、安全な場所への誘導や、適切なアドバイスができるように備えましょう。

店舗入り口や店内に、大雪による注意喚起のポスターを掲示したり、アナウンスで注意を促すなどして、顧客に情報提供しましょう。

また、店舗の状況に応じて、営業時間の変更や休業などの情報をウェブサイトやSNSなどで発信することも有効です。

店内の顧客に対しては、転倒に注意を促したり、安全な場所への誘導など、丁寧な対応を心がけましょう。特に、高齢者や体の不自由な方には、積極的に声かけを行い、サポートするようにしましょう。

また、顧客からの質問には、正確かつ丁寧に答えるように心がけましょう。店舗の状況によっては、一時的に店内で待機してもらうことも考慮し、その際は、飲み物を提供したり、ブランケットを用意するなど、顧客への配慮も大切です。

大雪被害のリスクマネジメントと対策(事業継続計画:BCP)

被害発生時の対応、早期復旧と営業再開

 大雪で被害が発生したら状況を把握し、早期の復旧を目指しましょう。必要に応じて専門業者に依頼し、店舗の安全確認と復旧作業を進める必要があります。

まず、店舗内外の被害状況を確認し、従業員の安全を確保することが最優先です。その後、店舗の損傷状況に応じて、修繕や清掃などの復旧作業を行います。

必要に応じて、専門業者に依頼し、電気や水道などのインフラが正常に機能しているか確認しましょう。

また、店舗の安全が確認できたら、速やかに営業再開に向けて準備を進めます。営業再開の際は、顧客に混乱を招かないよう、事前に告知することが大切です。SNSやウェブサイトなどを活用し、営業再開日時や営業時間などの情報を発信しましょう。

また、従業員に対しては、復旧作業や営業再開に向けて、具体的な指示を出すことが重要です。

サプライチェーンの維持と代替手段の確保

 商品配送が遅延した場合に備え、代替の輸送手段や仕入れ先の確保を検討しておきましょう。在庫管理を徹底し、必要な商品を確保することも重要です。

大雪により、物流が滞り、商品の配送が遅延する可能性があります。そのため、事前に代替の輸送手段を確保しておく必要があります。

例えば、複数の配送業者と契約したり、自社で配送ルートを確保するなどの対策を講じておくことです。また、仕入れ先が複数ある場合は、大雪の影響を受けにくい地域からの仕入れも検討しておくことです。

在庫管理については、常に適正在庫を維持するように努め、欠品がないように気象情報を確認して発注数をコントロールしましょう。特に、需要の高い商品については、予め十分な在庫を確保しておくことが重要です。

また、災害時用の備蓄品として、食料や水、毛布なども用意しておきましょう。これにより、大雪の影響による商品の不足を最小限に抑えることができます。

BCP策定と定期的な見直し

 後日、天気が回復して被害対応などが安定したら、大雪発生時を想定し災害などの緊急事態が発生した場合でも、事業を継続するための計画である事業継続計画(BCP)を策定しましょう。

BCPを策定する際は、大雪による被害を想定し、具体的な対策を盛り込むことがポイントです。

例えば、従業員の安否確認の方法や、顧客への情報提供、緊急時の連絡体制、避難経路などを明確に定める必要があります。また、復旧作業の手順や、代替の輸送手段、仕入れ先の確保についても計画に盛り込むことが重要です。

BCPは、策定したら終わりではなく、定期的に見直しを行う必要があります。状況の変化に応じて計画を修正し、より実効性の高いものにしていくことが重要です。

また、定期的に訓練を実施し、従業員が計画を理解し、適切に行動できるように訓練しておくことでより実効性の高い対策を行うことができます。

まとめ:大雪に備えた店舗運営

 大雪は予測が難しい災害の一つであり、店舗運営に大きな影響を与える可能性があるため、日頃から対策を講じ、事前に準備しておくことが重要です。

この記事で紹介した内容を参考に、各店舗の状況に合わせて具体的な対策を検討し、緊急事態マニュアルを作成し従業員全員で共有し、マニュアルは実情に合わせて定期的に見直しを行いましょう。

また、従業員向けの研修や訓練も実施し、緊急時に適切な行動がとれるように備えておく必要があります。

大雪は、店舗だけでなく、地域社会全体に影響を与える災害です。そのため、地域社会との連携も重要になります。地域の防災訓練に参加したり、地域の情報ネットワークを活用することで、より効果的な対策を講じることができます。

これらの対策を通じて万が一の事態に備え、大雪による被害を最小限に抑え、安全で円滑な店舗運営を目指しましょう。

ホワイトアウトに遭遇した場合の対処

 ホワイトアウトは、雪が激しく降る際に、雪が舞い上がり、視界が極端に悪くなる現象で、一瞬で発生し、前方が全く見えなくなり非常に危険な状態になります。

もし車を運営中にホワイトアウトに遭遇した場合、まずはハザードランプを点灯させ、後続車に注意を促して、周囲の状況を確認し、安全な場所に停車しましょう。無理に運転を続けると、事故につながる危険性が高まります。

停車後、天候の回復を待つか、身動きが取れない場合は、国土交通省の道路緊急ダイヤル(#9910)に連絡をして救助を求めましょう。道路会社などが除雪車を手配してくれます。

ホワイトアウトは、予測が難しい現象なので、日頃から天気予報を確認し、大雪が予想される場合は、原則、不要不急の外出は避けるようにしてください。

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