【この記事の概要】
「相手を容易に受け入れられて、相手に対して優しくなれる方法」
心理学者アドラーが提唱した「エニアグラム」は、自分の臓器や器官で劣る部分がある場合、他の部分が機能をカバーし、その傷が得意分野となることがあります。そして、傷の位置を特定することにより、その人の特徴を分析できます。 つまり、人の性格をある程度理解することが可能なため、人間関係構築にとても効果的な方法です。
人間関係構築スキル「エニアグラム」の活用方法
エニアグラムは複雑な人間を理解する管理職必須のスキル
エニアグラムは前記事の「6.各層共通のスキル『人間関係の構築』(1)管理職必須のスキル「エニアグラム」」で解説した通り、人間理解のスキルとしては最高のツールの一つであり、多くの上場企業でマネジメント研修では広く行われており最近では学習塾でも使われるなど、複雑な人間を理解するには必須ともいわれるツールです。そのため、マネジャーの必須スキルともいえると思います。
エニアグラムを知っている、知っていないとでは、管理職としてのマネジメントスキルがまるで変りますので、是非とも押さえほしいとスキルです。
人間関係構築力「エニアグラム」の活用方法
心理学者アドラーは、人は生まれながらにして、身体的な機能の劣等性を抱えており、感情や思考、感覚に影響を与える傷が存在し、この人間の弱点を「器官劣等性」と呼び、それを補う「優越追求」という欲求があり、この劣った状態から、無意識に同等または優れた状態へ移行する行為を「補償」と称しました。
このように、自分の臓器や器官で劣る部分がある場合、他の部分が機能をカバーし、その傷が得意分野となることがあります。そして、傷の位置を特定することにより、その人の特徴を分析できます。 つまり、人の性格をある程度理解することが可能です。
感情、思考、感覚に関する3タイプの傷
前記事の「6.各層共通のスキル『人間関係の構築』(1)管理職必須のスキル「エニアグラム」」で解説した内容をさらに、掘り下げて解説しましょう。
エニアグラムは人間の性格を感情、思考、感覚に関する傷を3つのタイプに分けています。
ここで言う傷とは、感情を司る器官、思考を司る器官、感覚を司る器官、そのいずれかで、傷付いた部分、すなわち弱いところのことです。
ケガをした時には、包帯を巻き、ギブスをつけて、ケガした所をぐるぐる巻きにして、治療するものです。そして、傷が出来たところを一生懸命使おうとすると、自ずとそこは発達してくるものです。
アドラーはそれを、「器官劣等性」と表現しています。
自分の臓器、器官の中で、劣っているところがあると、他の器官が、その機能をカバーしようとする、ということです。そして、傷がある所が、やがて自分の得意な分野になってくる、ということです。
また、どこに傷があるかを見ることで、その人の特徴が分かるものだ、と分析しています。
これは正に、エニアグラムにおける感情、思考、感覚における傷によって、それぞれタイプが分かれてくることと繋がっています。
感情、思考、感覚のどこに傷があるのかによって異なる9つの性格
エニアグラムの番号と、傷との関係を知ることによって、どのような性格か、ということが、ある程度、分かるものです。
感情、思考、感覚に関する傷が3タイプ。そして、傷の向きも、外向き、内向き、両方なのか、という3タイプに分かれるので、3×3の9通りに分かれます。具体的には次の通りです。
(感情)
・外向きが2番で愛の人(援助者)
・内向きが4番で繊細な人(芸術家)
・外、内が3番で評価される人(達成者)
(思考)
・外向きが5番で観察する人(観察者)
・内向きが7番で楽天家
・外、内が6番で誠実な人(忠実家)
(感覚)
・外向きが8番で挑戦者
・内向きが1番で完全主義者(改革者)
・外、内が9番で平和な人(調停者)
身体的な機能別の傷の3タイプ別の特徴と対応の仕方
その1 感情に傷があるタイプの特徴
感情で、外向きの傷がある場合とは、外から受ける刺激に対して、感情で傷がある人のことで、それは2番の人の事です。2番の人は愛の人、と言われていて、自分が愛されなかったらどうしよう、という傷がある人でして、愛されたい、という願望が非常に強いため、2番の人は、大げさに愛を語る人になるのです。