【店舗防災】リスクマネジメント・危機管理マニュアル[防災の原点]防災の日に見る安心安全の原則[チェックリスト付]

この記事の目次

防災のその先へ:リーダーシップとレジリエンス

 店舗防災は、単なるチェックリストの実行ではありません。それは、経営者が従業員とお客様の安全にコミットし、危機を乗り越えるための「リーダーシップ」を体現するプロセスです。

防災への真摯な取り組みは、従業員の信頼を勝ち取り、強いチームを築きます。そして、お客様からの信頼は、ブランド価値を高め、事業の持続可能性を強固なものにします。

このマニュアルシリーズが、皆さんの店舗防災への取り組みの一助となり、災害に強い、そして人々に愛される店舗づくりに貢献できることを心から願っています。

真の防災:事業を成長させる「善循環」

「防災」とは、決して完璧な被害ゼロを目指すものではありません。大切なのは、いつか来るかもしれない災害を前提とし、事前にリスクを理解し、そのリスクを最小限に抑えるための行動計画を立て、実行することです。

この「防災の原点」を理解していただいた上で、この「リスクマネジメント・危機管理マニュアル」シリーズの大雨対策台風対策といった具体的な対策を参照してください。

安心安全な店は、人を惹きつけ、事業を成長させる「善循環」を生み出します。

  • 安心安全な店は、お客様だけでなく、従業員にとっても魅力的な場所です。
  • 安心安全な店は、店舗イメージに表れるため、あなたの店で働きたいという応募者が増え、従業員の定着率も高まります。
  • 優秀な人材が定着し、人手が足りている店は、お客様一人ひとりへの対応がより丁寧になり、顧客満足度を高めます。
  • お客様は安心感と質の高いサービスを求め、来店頻度が向上します。

これにより売上が向上し、事業はさらに成長します。そして、得られた利益を従業員の待遇改善や、さらなる防災投資に回すことが可能となり、より安心安全な環境が生まれます。

この善循環こそが、店舗経営における真の「防災」の姿であり、持続可能な事業運営の鍵となるのです。どうぞ、これらの具体的な対策を読み進め、貴店の防災への取り組みをさらに確かなものにしてください。

【添付】店舗防災チェックリスト[総合編]

 店舗の防災対策を、計画、準備、行動の観点から総合的にチェックするリストです。このリストを活用して、定期的に店舗の安全性を確認・更新のためにぜひ貴店の防災対策にお役立てください。

1. 事前の「計画」と「準備」

項目チェック
店舗防災マニュアルの作成
従業員全員がアクセス可能な防災マニュアルがあるか
災害時の役割分担(初期消火、避難誘導、情報収集など)が明確か
負傷者対応の担当者が決まっているか
BCP(事業継続計画)の策定
災害時の事業中断を最小限にするための計画があるか
災害時でも最低限維持すべき業務を特定しているか
経営資源(人、モノ、金、情報)の代替策を検討しているか
避難・安全対策
避難経路図を作成し、店舗内に掲示しているか
避難場所と集合場所を従業員全員が把握しているか
店舗周辺のハザードマップを共有し、リスクを認識しているか
定期的な防災訓練(年1回以上)を実施しているか
備蓄品
3日分の水、非常食、医薬品などを備蓄しているか
懐中電灯、携帯ラジオ、予備バッテリー、軍手などの防災用品を準備しているか
浸水対策として、土のうや止水シートを準備しているか
設備・物品の安全対策
重い棚や什器が転倒しないよう、固定されているか
窓ガラスに飛散防止フィルムを貼っているか
重要な書類やデータはバックアップされているか

2. 災害時の「行動」と「連携」

項目チェック
情報収集・共有
気象警報や避難情報などをリアルタイムで収集できる体制か
従業員や関係者への緊急連絡網が機能するか
SNSなどを活用し、営業状況などを顧客に発信できるか
顧客・従業員の安全確保
災害発生時、顧客を冷静に避難誘導する手順が確立されているか
従業員の安全な帰宅を判断する基準があるか
従業員の安否確認を迅速に行う方法があるか
外部との連携
サプライチェーン(仕入れ先、配送業者)との緊急連絡先を共有しているか
地域自治体や消防署などとの連絡体制が整っているか
近隣店舗や地域住民との「共助」体制があるか
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