【2025年版】セブンイレブンやローソン、シャトレーゼに負けない!地域密着店のためのクリスマスケーキ「販売戦略」と「儲けのからくり」

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【この記事で分かること】
 元スーパー社長が、2025年のクリスマスケーキ商戦を勝ち抜く戦略を大公開!
 大手コンビニやシャトレーゼに対抗し、個店が利益を確保する鍵は「完全予約制」による廃棄ロスゼロの徹底と、前受金によるキャッシュフロー改善にある。記事では、予約販売の真の「儲けのからくり」を解き明かし、地域密着を活かした声かけやSNSでの集客術、さらには報奨金を用いたスタッフの目標共有方法までを徹底解説!

この記事の目次

なぜ、今年も「クリスマスケーキ商戦」に挑むのか?

やまとマン社長

元スーパーの社長だった私は、毎年この時期になると、「クリスマスケーキ」の予約獲得に従業員が奮闘する光景を思い出す。

 今年もまた、店舗経営者にとって、大きな売上と利益を左右する、一年で最も重要な商戦の季節がやってきました。12月商戦に向けて街中やネット上では「クリスマスケーキ 2025」への注目が急増し、セブンイレブンやローソンなどの大手コンビニや人気の洋菓子チェーンのシャトレーゼなどが予約受付を一斉に開始します。

しかし、最近はケーキ材料や配送コストの高騰で、5インチのケーキの価格が5,000円近くになっている。特に、生クリームの原料となる乳製品やバター、そして鶏卵などの主要原材料の価格高騰は深刻で、物流費や人件費の上昇も相まって、販売価格への転嫁が避けられない状況が続いています。

やまとマン社長

一昔前は、3,000円で立派なケーキが手に入り、チキンも含めて5,000円のパーティができた。スーパーにとって、クリスマスから年末年始の期間は、お盆商戦と並ぶ稼ぎどきである。ケーキを買う店で食材も買うため、ケーキの予約が重要であることがわかる。

「うちは個店だし、大手の価格競争やブランド力には勝てない……」、「昨年は廃棄ロスが出てしまい、結局利益が残らなかった」

やまとマン社長

そんな悩みをお持ちのオーナー様も多いのではないでしょうか。しかし、断言します。中小個店や地域密着型のスーパーこそ、クリスマスケーキ商戦を勝ち抜くチャンスがあります。

本記事では、過去の失敗を教訓にしつつ、「なぜ予約販売が最強の利益確保手段なのか(儲けのからくり)」を再確認し、「大手には真似できないアナログとデジタルを融合させた予約獲得戦術」について解説します。

クリスマスケーキ予約販売における「儲けのからくり」とは

 まず、基本に立ち返りましょう。なぜ、これほどまでに各社が「予約」にこだわるのか。それは単に売上を作るためだけではありません。「確実に利益を残す(キャッシュフローを良くする)」ためです。

廃棄ロスゼロ=利益率の最大化

 通常の店頭販売では、売れ残りのリスク(廃棄ロス)が常につきまといます。特にクリスマスケーキのような季節商品は、12月25日を過ぎれば価値がゼロになります。

原価率が仮に60%だとしても、廃棄が出ればその分が丸々損失となります。しかし、完全予約制に近づけることで、製造数(発注数)と販売数が一致し、廃棄ロスをゼロにできます。この「ロスのなさ」こそが、薄利多売になりがちな小売業における最大の利益源泉です。

売れ残ったクリスマスケーキが当日半額になる時代は終わりました。店側もほぼ予約制にして販売ロスを防ぐため、当日に売れ残ったクリスマスケーキが半額で特売することは少なくなりました。

キャッシュフローの改善(前受金の威力)

 予約時に代金をいただく「前受金」システムは、資金繰りの面で非常に強力です。仕入れ代金の支払い前に現金が入る仕組みを作ることで、年末の資金需要に対応しやすくなります。また、お客様にとっても「当日は受け取るだけ」という利便性があり、店舗側は当日のレジ混雑を緩和できるメリットがあります。

真の利益構造とキャッシュバックのからくり

 一般的なスーパーのクリスマスケーキは、いわゆるパン屋さんが製造するものが多く、予約客に2割引でケーキを販売しても、利益は10%ほどになるのが実態です。利益率だけを見れば決して高くありません。

しかし、ここには裏のからくりがあります。クリスマスケーキの利益自体は低くなるが、他の商品で利益を稼げば問題ないという考え方があるのです。そして、この構造を支えるのがキャッシュバック契約です。

年間取引額に応じて販売奨励金がパン屋さんからキャッシュバックされる場合があるため、ケーキを多く売ることは、メーカーとの取引を円滑にし、店とメーカーはキャッシュバック契約をしていることがあるため、特売商品に同じメーカーのものが多い場合、契約の締め月であることがわかるなど、今後の仕入れ交渉全体に有利に働く側面も持っているのです。

参考記事: 利益構造と生産性の関係については、以下の記事もぜひ参考にしてください。 【生存戦略】「時給が上がっても、価格は上げられない」壁を打ち破る生産性向上と付加価値戦略

2025年の競合分析:セブンイレブン、ローソン、シャトレーゼの動向

 敵を知り、己を知れば百戦危うからず。2025年のクリスマス商戦において、お客様がスマホで検索するライバルたちの動向を把握しておきましょう。

大手コンビニ(セブンイレブン・ローソン・ファミマ)

 彼らの強みは圧倒的な「利便性」と「有名店監修」です。「クリスマスケーキ セブンイレブン」「クリスマスケーキ ローソン」で検索すれば、有名パティシエ監修のケーキがずらりと並びます。また、アプリを活用したポイント還元やチキンとのセット割引など、組織力を活かした販促を展開してきます。

菓子専門店(シャトレーゼ等)

「クリスマスケーキ シャトレーゼ」は毎年検索上位の常連です。彼らの強みは「低価格・高品質」と「品揃えの豊富さ」。アレルギー対応ケーキや糖質カットなど、ニッチなニーズにも対応しています。

専門店は、パンメーカーのクリスマスケーキと差別化するために独自の色を出します。どちらも価値があり、どちらも美味しいですが、個店が目指すべきは「パン屋さん製造の一般的なケーキ」との差別化ではなく、「大手コンビニやシャトレーゼの画一的な対応」との差別化です。

ネット通販(Amazon・楽天・専門サイト)

 近年、「クリスマスケーキ 通販」の需要も急増しています。冷凍技術の向上により、全国の有名店の味が自宅に届くようになりました。

我々(個店・地域スーパー)の勝機はどこにあるか?

 これら強豪に対し、真正面から「価格」や「ブランド」で戦っても勝ち目はありません。我々の武器は、「地域とのつながり」「スタッフの顔が見える安心感」「ついで買いの誘導」です。通販では送料がかかりますし、コンビニでは事務的な対応になりがちです。「〇〇さんの店で買いたい」「あそこの店長が勧めるなら」という人間関係こそが、最大の差別化要因になります。

参考記事: 大手チェーンの脅威と、それに対抗する考え方についてはこちらをご覧ください。 「小売業、淘汰と再編の時代にどう生き残る?」イトーヨーカドーでなくてもスーパーが疲弊していくドラッグストアの脅威

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