商業経営の原理原則 『共通する繁盛の法則・実践者たちの横顔』(第7回) 慈愛真実の商人「商人の絆」

商業経営 繁盛の法則

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「繁盛店には必ず、死後もお客様に語り継がれる商人がいる」 革新的チェーンストアの礎と繁栄を築いた夫婦の「真商道の道」とライバルであり、共に学びあった同志と「商人の絆」

代をつなぐ繁盛店には必ず、死後もお客様に語り継がれる商人がいる

たとえ肉体は滅びても、店は受け継がれ、お客様の記憶に生き続けることこそ商人の本懐であり、務めといっていい。だからこそ、私たちは今を懸命に生きる

一度目は心臓が止まったとき、二度目は埋葬や火葬をされたとき、三度目は人々がその人のことを忘れてしまったとき――これら“三つの死”は、メキシコ古来の死生観と言われている。

メキシコでは11月1日と2日を「死者の日」と呼び、一年に一度だけ死者たちが家族のもとへ帰ってくる日としている。死者を偲んで感謝し、生きる喜びを分かちあうという、日本のお盆とよく似た習慣である。

ピクサー/ディズニーによるアカデミー賞受賞アニメーション映画「リメンバー・ミー」は、三つの死の死生観を題材としている。死者たちはきらびやかな“死者の国”で楽しく暮らしているが、生きている世界の誰からも忘れ去られたとき、彼らは“死者の国”からも消えてしまうという筋書きだ。

商人もまたしかりである。たとえ肉体は滅びても、店は受け継がれ、お客様の記憶に生き続けることこそ商人の本懐であり、務めといっていい。だからこそ、私たちは今を懸命に生きる。

そうした代をつなぐ繁盛店には必ず、死後もお客様に語り継がれる商人がいる。それが、その店への信頼の幹となり、その幹が太いほど多くの花を咲かせ、実りを豊かにする。

「おまえのじいさんには、いつもよくしてもらった。あのときだって……」と故人との思い出話を懐かしく語るお客様があなたの店にもいるかもしれない。

では、あなたなら自身の死後に、どんなふうにお客様の記憶に残り、語り継がれたいと考えるだろうか。今回の問いは、そのためのものである。

死後もなお多くの人の心をあたたかくする夫婦商人の話

商業界創立者であり、「昭和の石田梅岩」と言われた倉本長治との間柄は、「正しい商いを極めんとする師弟であり、互いへの尊敬と信頼で結ばれた同志」である「仏」と呼ばれた商人

死後にどのように
憶えられたいか?

死後もなお多くの人の心をあたたかくする夫婦商人の話である。

生活者への奉仕を目的に、個々の特徴を全体の力へ昇華させた革新的チェーンストア

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