【経営理念】人を大切にする経営「京セラフィロソフィー」紐解き 8.理念経営の実践|松下幸之助から稲盛和夫まで、成功確率80%の組織を作る

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人を大切にする経営 京セラフィロソフィー 理念経営の実践 松下幸之助から稲盛和夫まで、成功確率80%の組織を作る方法 下請けいじめは愛のムチ。稲盛和夫が松下幸之助から学んだ、ぶれない経営のための「心の指針」

稲盛和夫さんが松下幸之助さんに感謝した理由

『京セラフィロソフィー』誕生の裏には、松下幸之助さんとの値下げ要求のエピソードがあります。京セラは創業時、松下グループの協力工場としてセラミック製品を納入していました。ある時、松下幸之助さんから厳しい値下げ要求を受け、稲盛さんは「大企業に値切られ、生き血を吸われる」と捉えるのではなく、この困難に敢然と立ち向かう道を選びました。

稲盛さんは後に、この厳しい要求を「下請けいじめは愛のムチ」と表現し、次のように語っています。「下請けの多くは『大企業に値切られ、生き血を吸われる』と発想し自滅していきましたが、逆に私のように『下請けいじめは愛のムチ』と発想してその困難に立ち向かったところだけが生き残りました。

京セラが今日、世界の電子部品メーカーとして力を蓄えられたのは、松下さんのあの厳しい購買姿勢に鍛えられたからです」と感謝されていました。この経験は、稲盛さんにとって経営者としての覚悟を固め、理念を確信するための重要な出来事だったのです。

現場で活かす!理念の「浸透工作」実践五箇条

「経営者がただ一人確信すれば経営は50%成功する。そして、社員と共有できれば成功確率はさらに30%高まる」と松下幸之助さんは述べています。この言葉が示すように、理念が社員と共有されてこそ、ビジネスの成功が確実なものになります。

理念を組織に深く根付かせるためには、まず経営者自らが模範を示すことが最も重要です。「自分ができないことを他人に要求するな」という批判を避けるためにも、まず模範を示すことで反論の余地を与えないことが不可欠です。

こうした経営者の姿勢こそが、日々の現場で理念を浸透させるための土台となります。ここでは、店舗経営に関わる皆さんがすぐに実践できる、理念の浸透方策を5つご紹介します。

1.経営者自らが伝える「経営理念研修」

 理念が浸透するには、まず活用する社員が内容を十分に理解し、「これで生きたい」「こうありたい」と心から思ってもらうことが大切です。そのために、まずは経営者自らが講師となり、勉強会を始めましょう。最終的には、店舗の店長やリーダーがメンターとなり、理念を社員に浸透させていくことが重要です。

2.実務で血肉化する「各経営局面での当てはめ」

 実務上の指導をする際に、常に経営理念に基づいて「こうすべきだ」「こうあるべきだ」と説明することを心がけましょう。これは、社員が全ての業務において理念を当てはめ、やがて無意識にそのような行動がとれるように、実務で血肉化していくための重要なプロセスです。

3.日常の習慣にする「手帳による確認」

 経営理念は、手帳など携帯できる形で常に確認できる状況を作ることが有効です。各人が自らの責任において、隙間時間に手帳で理念を確認し、体に染み込ませる努力をすることで、日々の行動に落とし込んでいくことができます。

4.主体性を育む「自主勉強会」

 勉強の効果は、自主的なものであればより効果的です。理念に心から賛同した人たちが、気の合う仲間と自由に勉強会を作り、互いに研鑽を深めることが効果的です。JALの復活劇の大きな要因に、経営理念の自主勉強会が至るところで立ち上がり、浸透スピードが一気に加速したことが挙げられます。

5.全社で知恵を共有する「懸賞論文」

 京セラでは、自由参加で懸賞論文を募集しています。自分の好きな理念と体験談を論文形式で募集し、優秀作品を文集として出す試みです。なんと社員の約60%が参加するとのこと。役職の高さや業務内容に関係なく素晴らしい作品が出てくるそうで、深い学びにつながるといいます。

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