【この記事の概要】
「パワハラと言われたくない…」。正直、余計なことはしたくない。
求められるリーダーシップは、従来のトップダウン型ではありません。この記事では、少数精鋭チームを成功に導くための「能力」「人間性」「一貫性」という三つの重要要素から徹底解説します。部下は上司の言動をよく見て、評価し、対応を変えています。つまり、あなたの言動こそが信頼を生み、潜在能力を最大限に引き出し、チームを構築する鍵となります。今すぐできる具体的なヒントを基にリーダーシップを実践して、店舗の成長と従業員の満足度向上を実現しましょう。
現代のリーダーの条件
店舗経営や中小企業における今の時代に合ったリーダーシップの在り方を深掘りしてきた第6回から13回までの『令和時代のリーダーシップ』シリーズも、ついに最終回だ。
そこで今回は、これまでの内容の総まとめをしてみよう。といっても、第6回はこの話だった、第7回はこうだった、と機械的に並べたりはしない。私らしくフリートークで、せっかくだから読者の皆さんも巻き込んで語ってみたい。それでも充分、ここまで読んできてくれた皆さんならわかってくれると思うからね。

「パワハラと言われたくない…」。正直、余計なことはしたくない
まず最初に、皆さんの本音を予想してみようか(笑)。
「リーダーシップを発揮すると言っても、今は一歩間違うとすぐパワハラだモラハラだ、セクハラだ何だって言われるから、正直もう余計なことはしたくないよ」
――どうです? そういう気持ちじゃないですか?
わかります。すごーくよくわかります。実際、私が勉強した限りでは、メンバーが10人を超えたら仕組みとかシステムとかで動かしたほうが諸々上手くいくんだってね。専門家の研究でそう結論が出てるそうだ。
でも、その研究でもやっぱり、チームが10人以下の少数ならば、仕組みやシステムに任せっきりにせずリーダーが積極的にリーダーシップを発揮したほうがいいらしい。そのほうがチームが上手く回るらしい。
少ない人数のチームでリーダーシップを発揮するには、個人個人との対話がやっぱり必要だ。「困ってることないか?」とか話しかけなきゃいけない。「うちの奥さんが…」みたいな話が始まったら付き合わなきゃいけない(笑)。それをして初めて、いざという場面でついてきてくれる。
部下が皆さんについていこうと思うのは、皆さんが「能力、人間性、一貫性」を完備したときだ。昔は能力か人間性のどっちかが飛び抜けていればそれでよかったが、今はどれか一つでも欠けていたら駄目。厳しいけど、それが現実だ。
では、この現代のリーダーに必要な「能力、人間性、一貫性」について、解説しよう。
現代のリーダーに必要な「能力」「人間性」「一貫性」
1. リーダーの能力
リーダーの能力とは、ざっくり言うと、意思決定力、実行力(決めたことは絶対やる)、コミュニケーション力の三つだ。
■現代のリーダーに必要な条件
1. 意思決定力
2. 実行力(決めたことは絶対やる=約束を守る)
3. コミュニケーション力
2. リーダーの人間性
一般レベルの倫理観を備えていることと、やっぱり愛情が大事だと思う。「俺のことを見てくれてる。ちゃんと考えてくれてる」と部下が感じるくらい、愛情を注いでいるかどうか。
端々でちょっとした配慮ができれば尚良い。休憩中に自販機で飲み物を買う時にお金を多めに入れて、「何がいい?」とさりげなく聞くとかね。
そんな子供だまし…と思うだろうけど、体は正直だから。「疲れてヘトヘトの時に上司に貰った缶コーヒー」の力は馬鹿にできない。
■現代のリーダーに必要な人間性
・一般レベルの倫理観
・愛情がある(相手に関心を示し、一人の人として認めて大切に接している)
3. リーダーの一貫性
一貫性には、時間的なものと関係性をめぐるもの、状況をめぐるものの三つがある。
出来事の前後で態度や主張が変わらないことが『時間的な一貫性』だ。上にはへこへこするけど下には偉そう、なんていうことがないのが『関係性の一貫性』。そして最後に、態度や判断が状況によってブレないのが『状況的な一貫性』の三種類だ。
■現代のリーダーに必要な一貫性
・時間的な一貫性
・関係性の一貫性
・状況的な一貫性
信頼を築くのは時間がかかるが、失うのは一瞬
「○○さんのこと信頼してたのに、何だあれ」と一度思われてしまったら、部下の信頼を取り戻すのは容易なことじゃない。
こっちの想像以上に彼らは皆さんの言動を見ていると思ったほうがいい。
勘違いしちゃいけないのは、上司が部下を見てるんじゃなく、部下が上司を見てるということ。昔はあり得なかったけど今はそうなんだ。
