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【この記事の概要】
雑談とコミュニケーションとは。「違いは何で、役割は何か?」
どう部下とコミュニケーションをとればいいか。リーダーシップにはコミュニケーションが大切だよ重要だよ、と繰り返し話してきましたが「リーダーとしてのコミュニケーションのあり方」の実施方法やポイントについて解説します。まずは、その基本である「雑談とコミュニケーションの違い」から解説します。よくある落とし穴が、雑談をコミュニケーションと勘違いしてしまうこと。雑談をいくらやったって、それはコミュニケーションじゃない。ここは間違っちゃいけない。仕事を円滑に進め、人間関係をスムーズするコミュニケーションの方法とは?
雑談とコミュニケーションの違い
雑談とコミュニケーションを混同していませんか?
リーダーはなぜ部下とコミュニケーションをとらなければいけないかと考えたときに、よくある落とし穴が、雑談をコミュニケーションと勘違いしてしまうことだ。雑談をいくらやったって、それはコミュニケーションじゃない。ここは間違っちゃいけない。
じゃあコミュニケーションって何なのか。私が思うに、結局は仕事をスムーズに動かすため、PDCAをきっちり回せるようにするための営みがコミュニケーションだと思う。
そう考えると、雑談はむしろ、コミュニケーションの前段階にあるもの、クッション材、表からは隠れているし、地味だけど、これがないとやっぱりコミュニケーションは成り立たない。
雑談の心得
先に雑談の心得から解説すると、一番無難でテッパンの話題は「出身(地・学校)」「食べ物関連」「ペット関連」の3つだ。
雑談の心得 その1 話題の選び方
昔はよくプロ野球のようなスポーツや音楽の話題も良かったけど今は共感されにくいので、この3つならまず間違いない。
出身は関東なのか関西なのか、もっと北のほうなのか、それとも九州なのか。ざっくりとでいいから聞いてみよう。たまたま同郷出身だったりすればそれだけでも共通言語ができる。
雑談の心得 その2 部下に関心を示す雑談
間違っちゃいけないのは、どこの出身だからどうという評価のために聞くのではないということ。部下がどういう人物か知りたいから、聞く。部下からすれば「自分に関心を持ってくれた」と感じることが重要であって、だからこそ、こっち(上司)から話しかける点に意味がある。
そのうえで更に間違っちゃいけないのは、「俺を知ってもらおう」と思わないこと。相手のことを聞く質問に見えて実は自分の話をしているだけの人が結構いるけど、それだと駄目だ。「俺じゃない、お前のことを知りたいんだよ」と心の中で思いながら向き合うようにしよう。
また、食べ物やペットの話をするのは究極的には、「会話した」という事実を部下との間に成立させるためだ。たまたまお互いラーメン好きだったり犬好きだったりすれば共通言語も生まれるだろうけど、それはどちらかというと副産物。それよりも、部下に「何々さんとは話したことがある(だから次から話しやすい)」と思ってもらうほうがメインだ。
雑談の心得 その3 効果的で生産性を上げる雑談
ここまで言うと有り勝ちなのが、「雑談なんかしてないで手を動かしたほうが効率的で、仕事も捗るのでは?」という疑問だ。
でも、実際のケースを想像してほしい。雑談といったって、休憩時間や昼食時間で精々30秒か1分。長くて3分だ。それくらいのアイドリングタイムで後の本番作業がスッと気持ちよく始められるなら、そっちのほうが生産性は上がるはずだ。
なお、雑談に関しては禁忌事項も簡単にまとめたから下記表を参考にしてほしい。
【雑談の禁忌三項目】
① 下ネタを言う
昔は会話の潤滑剤だったが、今の若者にはドン引きされる
② 「オチがないぞ」と指摘する
オチがないと話しちゃいけないんじゃあ、誰も話なんかできないよ
③ 話をまとめようとする
まとまらないままでいい。満足するまで話させることが重要
「下ネタ駄目なの?」と思うよね。駄目なんですよ。他もついやり勝ちだから要注意ですよ
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