ブックオフ・ハードオフ「従業員による巨額内部不正」[第四弾]ブックオフ直営24店舗で7000万円もの内部不正が判明し、その手口も明らかに

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不正が発生した管理体制の問題

組織の牽制機能

 報告書には、当社直営全店においては、これまで、各店舗の店舗在庫の実地棚卸は定められたルールに従い、各店舗の店長・主任を中心として行っており、また、実地棚卸の網羅性や実施棚卸が当該ルールどおりに実施できているかどうかについての確認、検証は、店長・主任の上長である複数店舗を所轄するエリアマネージャーをはじめとした上長が行うこととして管理をしていたとありますが、

エリアマネージャーの上長やブックオフ本社の管理職や取締役らが、エリアマネージャーの報告内容の精度や証憑類の信憑性をチェックする体制に加え、ブックオフ事業部や他部署の牽制機能についての報告はありませんでした。

現場実態の把握

 報告書によると、実地棚卸についても、“これまでの方法では在庫計上の不適切な行為を発見できなかった”とあります。

その原因として、店舗経営において、日常業務が繰り返されるとマンネリ化、惰性や前例踏襲などから形骸化してしまう傾向から、本来の機能を果たせなくなることで現場実態の把握ができず、問題に発展する場合があります。

そのため、日常業務がマンネリ化しないように、本社がその業務の管理監督をすることで予防できます。それは、店からの報告や提出された証憑類を現場で直接、信憑性を確認することです。

特に人モノかねに関することは、実態調査や内部監査が欠かせませんし、その調査項目も必要に応じ変え、緊張感を保つことが重要になります。

実地棚卸の信憑性を向上させるためには、

  • 組織で実地棚卸を牽制する
  • 実態調査内容や着眼点を必要に応じて変更する
  • 外部委託による棚卸の精度向上と信頼性の確保

などの対策が必要になります。

内部監査や内部統制の機能

 本来、内部監査は定められたルールが現場で厳守され、本社への報告や証憑類の値などの正確さや信用性確認のため、定期または抜き打ちによるチェックで、隙のない店舗経営環境を整えることが求められます。

さらに、ブックオフ事業部長、他部長や取締役によるダブルチェックやトリプルチェックなどで信用性を担保することが必要ですが、今回の報告では内部統制の実態、内部監査の機能、その実施頻度や結果に関する内容はありませんでした。

企業風土

 ブックオフでは、経営幹部や管理職も現場に入り従業員と一緒に働く「共に汗を流す」文化があり、現場と本社の距離を縮めることを重要視しています。しかし、この風土が牽制機能の障害となり、隙を与える原因となった可能性もあります。

過去に例を見ない巨額不正を招いた経営責任

未だ確定できない決算値

 2024年8月29日に予定されていた第6回定時株主総会での決算報告は、直営店400店舗の臨時棚卸実施や特別調査委員会による調査が行われたため、一ヶ月以上経過しても決算値が確定できない事態となり、中間報告と定時株主総会の継続会の開催方針の発表に至っています。このようなことは店舗経営史において異常の事態と言えます。

取締役らの経営責任

 本事案の被害の大きさ、不正が発生した管理体制や社会的責任などから、取締役らの経営責任は重大であり、最終報告によっては株主らステークホルダーから責任が追及される可能性もあります。

この機会に徹底的に問題を解決し、上場企業としての責任ある対応が求められています。

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