
【店舗負担増】AI予約システムの便利性と深刻な店舗への負担
忙しい営業時間に店長や従業員の時間奪うAI電話
AI予約システムの導入は、先述の通り利用者から見るとオンラインで予約手続きが済むので非常に便利ですし、店舗にとっても電話予約の手間を省ける可能性があります。
しかし、店側が忙しい時間帯や週末などのかき入れ時に何度も鳴り続けるAI電話に対応する負担は想像以上で、お客様への対応を優先したい店長や従業員にとって時間を選ばない電話はとても迷惑です。
さらに、オートリザーブからの予約の電話が30分以上鳴り続けたり、何回も電話が繰り返されたりするとお客様にも迷惑がかかしますし、調理やホールとの両立が難しくなって本来の営業を妨げるので、売上、サービスや品質にも悪影響を及ぼします。
【SaaS最前線】国内企業が推進するAI電話予約サービス
AI予約はとても画期的といえるサービス
本来、AI予約はアプリやWEBサイトから店を選び、日時や人数を指定すると、AIが代わりに電話予約を行う仕組みはとても画期的といえるサービスです。
手数料を極力減らしたい店や、電話対応に時間が割けない利用者にとってオートリザーブは確かに便利かもしれません。
国内企業がこうしたサービスを開発する背景には、多くの人がインターネットで予約を済ませたいというニーズがあります。
画期的なシステムの落とし穴
飲食店が独自の方法で集客し、オンライン予約ページやSNSを使った従来通り集客施策に加え、AIを活用した電話予約など複数の施策で効果的に集客し、売上を獲得することで手数料や運営コストの削減を可能にします。
AI予約は自動で予約対応をしてくれるメリットがある一方、掲載情報のメンテナンスが不十分だと、店への信用問題や利用者との間にトラブルが生じる恐れなど、デメリットも大きいといえます。
複数の運営会社を比較検討し、サービス内容やポリシーを慎重に確認してから導入すれば、負担を減らしつつ売上アップも可能にします。
【対策一覧】飲食店が取るべき迷惑電話への対策
このような迷惑行為の対策として、店の電話でオートリザーブのAIからの電話を着信拒否する方法がありますが、店の電話が話し中になってしまい他のお客様に迷惑をかけるなどのトラブルも発生しています。
それでは、迷惑電話から店を守るためにはどうしたらいいのでしょう。できる範囲で対策をしてみましょう。
■AI電話予約サービス迷惑電話対策
対策1:留守番電話で受電し、落ち着いた時間に折り返し電話をする
忙しい時間帯に電話があっても留守番で受電し、必要な場合、忙しさが落ち着いた頃に折り返し電話をする。留守番に録音されたAI予約電話の音声は他の対策に使用。
対策2:「AI予約は一切受けない」ことを消費者に意思表示する
「AI予約は一切受けない」。また、忙しい時間帯には「電話に出られないことがある」旨をSNSやホームページで呼びかけたり、お客様の来店時に注意喚起する。
対策3:運営会社に店舗情報の削除依頼をする
AI予約運営会社に店舗情報の削除依頼をメールで何度か送り、削除に応じない場合、会社宛に内容証明郵便を送る。
対策4:有効な着信拒否の方法を確認する
通信会社と電話機メーカーに連絡し、「AI予約電話」を着信拒否の有効な方法や迷惑電話対策を相談し、必要な設定など対策のアドバイスをもらう。
対策5:個人情報保護委員会に通報する
内閣府の個人情報保護委員会(個人情報保護法相談ダイヤル:03-6457-9849)に連絡し、契約も許可もなく店舗情報が勝手にWEBサイトに公開され、それを知らない利用者の予約によって、個人情報の適切な取得なされていないことを通報する。
対策6:警察総合相談電話「#9110」に相談をする
AI予約電話による業務妨害を警察に相談する方法もあります。その場合、受電履歴やその時間帯の売上、店舗情報の無許可掲載などが説明できるようにして、まずは警察総合相談電話「#9110」に電話、相談する。
これらの対策は、複数実施すると効果的です。
【まとめ】今回の騒動と予約システム導入検討時のポイント
今回のAI予約迷惑電話には、AI音声による予約電話と無断掲載が大きな要因です。
AIを活用する利便性は魅力的ですが、営業に迷惑な行為や運営会社の対策は、飲食店にとって死活問題ともいえます。迷惑行為があった場合、まずは先述の対策を講じてみましょう。
今後、積極的に予約システムやAI予約の導入を検討する際は、事前にWEBやSNSで口コミや評判を確認されることをおすすめします。
WEB化が進んだ現在、WEBサービス提供会社によっては効率を重視して連絡が取れない。あるいは取りづらい。といったことが多々あるからです。
今回のような事態に誠意をもって迅速な対応をしている運営会社かどうかは口コミを見れば分かることが多いため、今回紹介したポイント、メリットやデメリットを参考に自店舗に最適な予約システムを検討してみてください。
このような迷惑行為が止んで安泰な経営環境のもとで営業に集中できる日が一日も早く訪れることを切に願います。

